紙で届く請求書と、メールで届くPDF。異なる形式の請求書が混在し、処理業務がどんどん煩雑になっていませんか?

こうした課題を解決する切り札として、今注目されているのが請求書受領サービスです。本記事では、数ある請求書受領サービスの中から主要12サービスを厳選し、最適なツールを見つけるための評価基準や選定ポイントを解説します。

目次

請求書受領サービスとは?経理を悩ます3つの課題と解決策

請求書受領サービスは、紙や電子データなど、様々な形式で届く請求書の受け取りからデータ化、保管までを代行・自動化するサービスです。まずは企業の経理部門が日々直面しがちな課題から見ていきましょう。

経理部門が直面する3つの課題

多くの企業では、請求書処理において以下のような共通の課題を抱えています。

カテゴリ 主な問題 詳細と業務への影響
** 処理工数が多い ** 紙・メール・システムなど、請求書の受取チャネルがバラバラで確認が煩雑 受領した請求書の開封、内容確認、仕訳入力、ファイリングまで手作業が多く、時間がかかる。本来注力すべきコア業務の時間を圧迫してしまう
** 紙媒体の管理・運用コストの増大 ** 請求書の印刷に必要な紙やインク代など、物理的なコストが継続的に発生 過去の請求書を探すのに多くの時間を浪費する。紛失や破損、不正な持ち出しのリスクが常に伴い、ガバナンス上の課題となる
** 属人化とミスリスク ** 担当者しか分からないローカルルールや、複雑な承認プロセスが存在し、業務がブラックボックス化 手作業でのデータ入力は、金額や支払日の打ち間違いといったヒューマンエラーが発生しやすい。担当者の急な休みや退職で業務が滞り、支払遅延などのトラブルに繋がる可能性がある

請求書受領サービスの主要機能

請求書受領サービスには、以下のような機能があります。

機能カテゴリ 主な用途・効果 重要度 活用目的
** 受取代行 ** 郵送・FAXの代理受領 請求書受取チャネルの一元化 ★★☆ 紙の請求書を代行センターで受領・スキャンし、社内でのスキャン作業を不要に
** データ化 ** 請求書情報の自動読取 AI-OCRによる高精度データ化 手入力作業の削減 ★★★ あらゆる形式の請求書を電子データに変換し、会計処理の効率化やデータ活用の基盤を構築
** システム連携 ** 会計ソフトへの自動連携 仕訳データの自動起票 二重入力の防止 ★★★ 請求書データを会計システムなどへ自動で反映させ、二重入力をなくし、処理時間を短縮
** 法対応 ** 電子帳簿保存法対応 インボイス制度対応 ペーパーレス化の促進 ★★★ 電子帳簿保存法やインボイス制度といった法的要件に準拠した形でデータを保管し、コンプライアンスリスクを低減
** 承認フロー ** 申請・承認業務の電子化 内部統制の強化 リモートでの承認対応 ★★☆ 請求書の承認プロセスをシステム上で完結させ、場所を選ばない迅速な処理を実現するとともに、担当者と責任の所在を明確にし、内部統制を強化