シリーズAで2.5億円調達、アジアNo.1への道筋
今回のシリーズAラウンドで調達した資金をもとに、事業成長を加速させるeMotion Fleet。同社の計画は明瞭だ。
「2029年までに、アジアNo.1のEVフリートソリューションプロバイダーになりたい。具体的には5万台の車両が我々のソリューションの管理下にある状態を目指しています」(白木氏)
日本、タイ、マレーシア、インドネシア、シンガポールを主な対象国として、日本で半分、残りの半分がアジアという売上構成を展望。またサービスの導入先として、物流やバス事業者に加え、空港や港湾も視野に入れる。
特に国内の空港はカーボンニュートラルの実現に向けて、国土交通省や経済産業省、各地の空港事業者が率先して取り組みを進めている。白木氏は、「空港内で稼働する車両をどんどん電動化していこうという話が進んでいるのが現状。1つの空港で導入事例が生まれれば、横展開もしやすい」と、スケーラブルな市場だと見ている。
最後に同社が掲げるミッション「脱炭素化と経済性の両立」について、白木氏はその重要性を強調した。
「CO2削減という綺麗な目標を掲げるだけでなく、しっかりと現場の課題を解決しながら経済性を追求し、結果として脱炭素化も実現する。Win-Winの関係を作りながら、会社を成長させていきます」(白木氏)
対象市場の急拡大、現地での引き合いの強さをもとにした機動的な判断、ソフトウェアが軸のアセットライトな事業展開、そしてそれを可能にするグローバル人材で構成された組織。eMotion Fleetの挑戦は、日本発スタートアップが海外で勝負するための新たなモデルケースとなりそうだ。
(文=加藤智朗/編集者、ライター)