当初は9時便で帰る予定だったが、条件の好転は捨てがたい。水軒渡船に波止上から電話して10:30便に迎えの便の変更をお願いした。この決断が9:20頃、大当たりとなった。
ケーソンがズレた箇所の壁面を攻めた時、上層で目印の落下速度が一旦緩み、その直後に竿先を抑え込もうとする引きがあった。今度は躊躇せずアワセを入れるとヒット。
しかし、魚はリールのスプールをサミングしていた指を跳ね飛ばす物凄い強い引きで抵抗してきた。これはカンダイのアタリ、根に潜られたら一巻の終わりとロッドワークで何とか海面に浮かせようとするが、ラインブレイクも怖い。不安と攻めの思いが交錯する中、魚の4度の抵抗の末、何とか浮かせた魚体を見て驚いた。魚体は黒い。カンダイだと思っていたが、正体は本命の良型チヌだった。
ならばタモ入れは海面で空気を吸わせて魚の勢いを止めるのがセオリー。アワセも一発必中ならタモ入れも一発必中で成功。

ずっしりとした重みを携えた43cm良型チヌがタモ網に収まった。各所で好況な様子だっただけに、自分も仲間に加われた喜びも相まって、至福の喜びに浸った。
最終釣果
その後も釣れそうな気配はあったが、タイムアウトで納竿。10:30の迎え便で波止を後にした。最終釣果はチヌ43cm1匹とイソベラ1匹だった。
全体的に好況だっただけに、帰る釣り人たちの様子は全体的に明るく、乗船場で出迎えたおかみさんも次々と釣果報告を受けて喜びの面持ちだった。
例年になく早い梅雨明けとなり、暑さの中でも深夜から訪れた釣り客への特別サービスとして、この日はおかみさんからアイスキャンデーのプレゼントがあった。

常連たちの素晴らしい釣果には到底及ばないが、私も釣果が得られたことで、プレゼンントされたアイスキャンデーの味はまた格別に感じられた。帰宅後、釣果は酒蒸しにして賞味し、大満足の釣行日となった。