ここで三枚の画像を上げて解説する。
リニア新幹線
北陸新幹線とあわせて議論すべきは、リニア新幹線である。当初、中央新幹線は奈良を通るAルートとして構想されていた。しかし、リニア方式を採用することになった結果、東西のメインルートとなるため、「京都を通らないのはおかしい」との声が上がった。そこで京都府・市などが正式に要望しているのが、京都駅を通るBルートである。これは京都市を東西に大深度地下で横断する計画である。
仮に大深度地下でも地下水脈を断つというのであれば、東西横断が許容されて縦断が許容されないという理屈は破綻している。二之湯氏は「賛成した記憶はない」と言い、別の府議は「Dルートを実現するためのダミー」と言うが、これらは真摯な議論とは思えない。
なお、三重県は亀山への駅設置を希望しているため、そこは通過が前提となる。しかしその場合、奈良県を説得するのは困難である。そこで私が提案しているのがCルートである。これは京田辺を想定したもので、同地ではJR学園都市線と近鉄京都線が500メートルほどしか離れていない。この場所に駅を設ければ、近鉄を活用して京都市内や奈良県各地へのアクセスが格段に向上する。
また、近鉄特急を国際会館まで延伸すれば、洛北地域から新京都・奈良駅までスムーズに移動できる。京田辺が適地であるもう一つの理由は、京都と奈良の中間地点である点である。このルートでは、伊賀・甲賀の中間に駅を設けたい。ここはかつての首都機能移転候補地、畿央高原である。
さらに、精華町の学研都市周辺への設置も一案である。奈良市の郊外に位置するが、京都からもアクセスが良好という発想である。
北陸新幹線
北陸新幹線のルートについては、複数案が検討されてきたが、あまりにも不確かな情報が飛び交っている。現在の案は右上のA案で、これが基本路線とされ、京都市内の通し方については専門家グループによって検討が進められ、緑の桂川駅案と赤の京都駅案の2案に絞られている。