参政党の支持拡大の背景には、政権に不満を持つ層からの支持獲得がある※22)。朝日新聞の調査では、内閣不支持層の比例区投票先で参政党が上位に食い込んでいる※22)。また、2024年10月の衆院選までは特定の支持政党を持たなかった「浮動層」の支持も拡大の起点となっている※24)。自民党が獲得したい保守系・右派系の無党派層からの支持を集めていると分析されており、「参政党が伸びることで、自民党が取りたいところを取れないという現象が見られる」との指摘もある※23)。
参政党はSNSを効果的に活用しており、X(旧Twitter)では約9割の候補者が情報を発信している※25)。InstagramやTikTokの利用も増加傾向にある※25)。特にTikTokは若年層へのリーチに貢献していると見られる※25)。
2025年7月の東京都議会議員選挙での躍進が「アナウンスメント効果」を生み出し、参院選に向けて勢いを加速させていると分析されている※23)。
参政党のSNS戦略は、従来の政治キャンペーンではリーチしにくかった層に直接情報を届けることで、有権者動員において大きな成果を上げている。特に「切り抜き動画」は、短時間でメッセージを拡散する強力なツールとなっているが、文脈を無視した編集によって誤解を招く危険性も指摘されている※26)。
しかし、このようなデジタル戦略は、既存政党への不信感を持つ層や、特定の争点に関心を持つ層に直接響く形でメッセージを届けることを可能にしている※22)。これは、政治的メッセージの伝達と有権者動員において、デジタルプラットフォームが不可欠な要素となっている現代の傾向を強く示している。
参政党は、既存の政治的スペクトルに収まらない、複雑な政治的特性を持っている。彼らは右派的な雰囲気を持つ一方で、経済政策には左派的な要素も見られるため、れいわ新選組の支持層から票が流れる傾向も発生している※23)。