今年の1月に出た『文藝春秋』では、浜崎洋介さんとこんな議論をした。2024年末にルーマニアで極右候補が躍進した大統領選挙を、「ロシアの工作だ」として無効にする事件を受けてのことだ。

浜崎 外国からの政治干渉というのは、政治的には当たり前の話ですよ。だから干渉されないように防衛するんですが、でも、実施された選挙自体を無効にしてしまえば切りがない。それこそ「無限後退」です。 (中 略) 與那覇 証拠を示した上でならよいですが、自分に好ましくない結果を「悪い国のせいだ」と断定するだけなら、一種の陰謀論でしょう。沖縄で非自民の候補が勝ったら「中国の工作だ」と、決めつけるのと変わらない。

『文藝春秋』2025年2月号、196頁 現地でも、ロシアの干渉があったかの 「真相解明は道半ば」とされている

わずか半年後、つまりいま、日本でも同じことが始まりつつある。実施中の参院選で、当初ノーマークだった参政党が急伸するや、「ロシアの工作の結果だ」と断定する人が出てきた(7月15日)。