新たに発見された方法は、レプチンに対する敏感さを取り戻させ、体に元々そなわった肥満防止システムを再活性化させることを可能にします。
ただ残念なことに、直ぐにでも夢のヤセ薬が即座に開発できるわけではなさそうです。
肥満防止システムを再活性化させるために用いたツバスタチンAなどのHDAC6阻害剤には無視できない毒性があるからです。
研究者たちは今後、ツバスタチンAを参考に、毒性を発揮せずにレプチンに対する敏感さを取り戻せる化合物を設計していくとのこと。
成功すれば今度こそ、ダイエットの努力が結果に直結するようになる、夢のヤセ薬が実現するでしょう。
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参考文献
Targeting an enzyme in fat cells drives rapid weight loss in obese mice
https://newatlas.com/medical/enzyme-fat-cells-rapid-weight-loss-obese-mice/
元論文
Histone deacetylase 6 inhibition restores leptin sensitivity and reduces obesity
https://www.nature.com/articles/s42255-021-00515-3
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
海沼 賢: 大学では電気電子工学、大学院では知識科学を専攻。科学進歩と共に分断されがちな分野間交流の場、一般の人々が科学知識とふれあう場の創出を目指しています。