研究チームは、ユークリッド望遠鏡の観測結果が出揃えば、この新たな理論を直接検証できるだろうと期待しています。
もちろん、この新しい理論が真実かどうかはまだわかりません。
しかし、もし暗黒物質が本当にビッグバン以前から存在していたことが確認されれば、私たちが教科書で学んできた宇宙の歴史や物理学の常識は大きく書き換えられるでしょう。
かつてインフレーションやビッグバンすらも「荒唐無稽」だと考えられていた時期がありました。
そういう意味では「宇宙論の常識」は移り変わるものだととも言えるでしょう。
この大胆な仮説が科学的な真実として語られる日がいつか来るかもしれません。
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元論文
Dark Matter from Scalar Field Fluctuations
https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.123.061302
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部