まず、サッカーは11人制でありながら、交代選手の起用が柔軟にできることが特徴だ。たとえ交代選手がいなくても、11人が最後までプレーすれば試合は成立する。また、7人制サッカーやフットサル、女子の大会など、部員数に応じた複数の競技形態も存在する。比較的少人数でも競技継続が可能である。
制度面でも、高校野球は高野連がルールを定めるのに対し、高校サッカーはJFA(日本サッカー協会)と高体連(全国高等学校体育連盟)の共同主催だ。高校スポーツの全国大会が競技団体主導となることで、運営には商業的な要素や利権構造が生じる場合がある。
JFAは、Jクラブやそのユースチームとの連携を重視しており、部活動単位の救済策よりも、クラブユースの育成強化に重点を置く傾向にある(出典:2019年9月9日・日本経済新聞)。こうした方針は、連合チーム制度の導入とは方向性が異なる。
さらに、海外に目を向けると、欧州クラブはイングランドのプレミアリーグやスペインのラ・リーガに見られるように、クラブユースが主流であり、学校スポーツは限定的だ。欧州ではスポーツが国家主導で教育の一環として支援されており、地域クラブが人材育成を担っている。高校サッカーが育成の中心にある国は、日本と韓国、アメリカ、そして南米の一部に限られている。
現在の日本でも、部活動の地域移行が進められており、JFAはクラブユースの強化と並行してこの流れを後押ししている。競技力向上の観点からも、今後は連合チーム制度ではなく、地域クラブとの連携がより重視される方向に進むと考えられる(出典:2023年1月23日・NHK報道)。

高校スポーツの未来は
2025年現在、日本バスケットボール協会(JBA)が関与する全国高等学校総合体育大会(インターハイ)やウインターカップでは、一定の条件を満たす場合に限り「合同チーム」の出場が認められている。一方で、日本バレーボール協会(JVA)が関与する全国大会においては、依然として合同チームの出場は制度上想定されておらず、都道府県予選での限定的な参加にとどまっている。