つまり、「誰かに勝たせる」ことよりも、「とりあえず嫌いな政治家を避けて一票」「勝たせたくないところを避けて一票」という消極的な動機であっても、その投票は確実に政治に対する“圧力”になります。

SNSを見るときは「いいねの数」より“理由”に注目する

2つ目のヒントは、SNSを見るときに「いいねの数」や「リツイートの多さ」に流されないことです。

人気の投稿や派手な言葉に注目が集まりやすいのがSNSの特徴ですが、そこで気をつけたいのは、「その主張にどんな理由や根拠があるか?」という視点です。

たとえば、「この政党は信用できる!」と書かれた投稿が10万件のいいねを集めていたとしても、それだけでは信用に値する情報とは言えません。

もしその投稿に具体的な数字や事例、政策の内容が含まれていれば、判断材料になりますが、ただ感情的な意見だけなら注意が必要です。

このように、SNSでは「数」より「内容」に目を向けることが大切です。

こうした視点の持ち方は、認知心理学では「確証バイアス(confirmation bias)」という言葉でも説明されています。

これは、自分の考えに合う情報ばかりを信じて、反対の意見や不都合な事実を無視してしまう心のクセのことです。

SNSの世界では、この確証バイアスが強く働きやすく、自分の見たい意見だけを見てしまいがちになります。

だからこそ、確かにいいこと言ってるかも、という投稿を見つけたとしても、それに対して反対する人は何を言っているのか? なぜそう思うのか? そうした視点で見る習慣を持つことが、正しい判断への第一歩になるのです。

「選挙後に1回だけ振り返る」を習慣にする

3つ目のヒントは、とてもシンプルです。

選挙が終わったあとに、一度だけでいいので、自分が投票した候補者や政党が何をしているかを見直してみるということです。

たとえば、選挙の半年後でも1年後でも、検索したりその人のSNSを見てみてください。