フェデリコのプレースタイルは、父フェルナンドと似たポジションながら、守備だけでなく攻撃にも貢献できる現代的な解釈で進化している。彼自身「父のプレーをビデオで何度も見てきたが、自分は自分の道を進みたい」とメディアのインタビューで語っている。クラブW杯での活躍は、彼が父親の幻影を脱しつつある証拠だろう。ただ、父のような世界最高峰のキャリアを築くにはさらなる経験が必要だ。


リアム・デラップ 写真:Getty Images

リアム・デラップ(チェルシー)

ロングスローが武器だった「人間発射台」のDNA
父:ロリー・デラップ

リアム・デラップは、プレミアリーグ注目の若手ストライカーだ。父ロリー・デラップは、ストーク・シティ(2006-2013)などで活躍したMFだったが、注目されたのはパスやドリブルなどの足技ではなく驚異的なスローインの飛距離。一説には40メートルとも言われ、FKやCKのようにゴール前に放たれることで「人間発射台」の異名を取った。学生時代、陸上大会のやり投げで優勝した経験を持つその“強肩”は相手DFをおののかせた。

リアムは父とは違い、今季加入したチェルシーでFWとして背番号9を着け、ゴール前の嗅覚とフィジカルを武器にしている。クラブW杯では準決勝までに1得点を挙げ(5試合出場)、チームの決勝進出に大きく貢献した(準決勝は累積警告のため出場停止)。

今ではロングスローを戦術に組み込むチームも多くなったが、ロリーのスローインは、当時では珍しい「飛び道具」だった。リアムのクラブW杯でのパフォーマンスは、父のユニークな能力とは異なる形でストライカーとしての評価を高めた。今後、プレミアリーグでのレギュラー定着が、偉大な父を超える第一歩となるだろう。


ジュリアーノ・シメオネ 写真:Getty Images

ジュリアーノ・シメオネ(アトレティコ・マドリード)

「闘将」の息子はスピードスター
父:ディエゴ・シメオネ