ぬるま湯に浸かっているといつかは温度が冷めて風邪をひきます。私は秋に向けた投資戦略を考えているのですが、アメリカ関税8月11日に実施され、その影響が統計値に反映される9月から10月頃に調整期に入るシナリオを考えています。その場合、ドル安と世界不和がメインテーブルとなるので金(ゴールド)と上がり過ぎた金に対して銀が相対的に買われやすくなる状態は続くと見ています。金銀レシオは今年3月に102を超えていたのですが、現在は88程度。心地よいゾーンは80ぐらいで一定の調整が進めば金銀共に上がるシナリオはありえるかもしれません。

選挙主題 外国人政策

今までの選挙で在留外国人にここまで焦点が当たった記憶はありません。私が見るこの問題の背景は2つあります。1つはコロナでほとんどいなくなった外国人が一気呵成で日本に戻ってきたこと。それに対して日本政府が支援をし、「コロナ前の訪日外国人の水準を早く回復させる」という4000万人、6000万人といった数を追うだけの状況になっていたことが上げられます。もう1つは選挙におけるポピュリズムでしょう。一部の保守的な方には外国人が増えたことがうざいわけでそれを選挙議論のテーマに上げてくれれば注目に値します。

外国人問題で私が問題視するのは中国人に対するビザ発給要件の異様なまでの緩和ぶりで、10年といった長期間のマルチの訪日が可能になった富裕中国人が目指すのは日本の不動産取得でしょう。特に中国の都市部と比べれば破格に安い上に所有権付きという魅力があります。その上、運転免許証も簡単に切り替えられました。この自動車免許切り替えだけは早速見直しが入りましたが、今までそれほど放置プレーだったのかと思うと「驚き 桃の木 山椒の木」であります。

今の中国は日本のイシバに大満足しています。中国の社会科学院日本研究所所長の楊伯江氏が「今の政権が最良」と日経のインタビューに応じており、高橋洋一氏が噛みついていましたが、石破、岩屋、森山各氏の顔ぶれを見れば中国にとって笑いが止まらないのは言うまでもありません。おまけにトランプ氏との関税交渉は暗礁に乗り上げています。これは日本の政治の大変革のマグマが動いているとみています。選挙の行方はわかりませんが、与党の劣勢は否めず、当面は国政が不安定になり、方向性が明白になるにはしばし時間がかかりそうです。私が思うもう一つの外国人対策は入国管理局の強化と不法滞在者の徹底した取り締まりを進めるべきでしょう。

石破首相と習近平国家主席 中国外交部HPより