被験者は一般公募から集められた132人で、うち86人が最終的に研究を完了しました。

彼らは、週4回の様々な強度のトレーニング(サイクリング×3回、筋トレ×1回)を8週間続ける介入群と、軽いストレッチだけを行う対照群に分けられました。

運動の効果は、運動の楽しさ、心肺機能、筋力、心拍数の回復力、ストレスレベル、性格特性などの要素から分析されました。

さらに、被験者はスマートフォンアプリと心拍計を使って、運動の記録や体調管理を行いました。

では性格ごとに、運動の楽しさや効果にはどんな違いが生じたでしょうか。

ビックファイブごとの運動に対する反応が明らかに!

研究の結果、性格によって「どの運動を楽しめるか」「どんな成果が得られるか」が大きく異なることが明らかになりました。

外向性

外向性のスコアが高い人ほど、HIIT(高強度インターバルトレーニング)のような負荷の高い運動を「楽しい」と感じやすいことが分かりました。

これらの人々は心肺能力や運動パフォーマンスも高い傾向にあり、刺激的なトレーニングがモチベーションに繋がるようです。

神経症傾向

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神経症傾向が高い人は、運動による気分転換効果が表れやすい / Credit:Canva

神経症傾向の高い人はラボ内での運動や観察下でのトレーニングを好まない傾向にあり、低強度かつ自宅で行う運動により快適さを感じていました。

驚くべきは、ストレス軽減効果が最も高かったのがこのグループだったことです。

運動前のストレスレベルは他の人々と同じ場合でも、神経症傾向の高い人たちは運動後のストレスレベルが大幅に低下していたのです。

研究者は、神経症傾向の高い人はストレスに対する感受性が強いため、運動による「気分転換効果」が大きく表れやすいと考えています。

誠実性

誠実性が高い人は、毎週の運動量が多く、筋力トレーニングの成績も優れており、脂肪率も低いという結果が出ました。