図3も気象庁のWebサイトからのデータですが、年間の降水量は折れ線グラフを見る限り、上下に変動しているものの、増加・減少いずれの明確なトレンドも見られません。つまり、増加も減少もしていないということです。

なお、気象庁のWebサイトでも「直ちに地球温暖化やヒートアイランド現象の影響によるものとは言えません。確実な評価を行うためには更にデータを蓄積する必要があります」と説明されています。

4. 台風の大型化は進んでいない

図4 1975~2024年までの「強い」台風の発生数、割合気象庁のWebサイトより

図4も、気象庁のWebサイトに掲載されているデータです。「強い台風」は、最大風速が33m/s以上の台風と定義されています。

このグラフを見ると、強い台風の発生数および全体の発生に占める割合のいずれも、増加しているとは言えません。むしろ、発生割合(紫色の折れ線グラフ)は、ゆるやかに減少傾向にあるようにも見えます。

以上の客観的なデータを踏まえたうえで、いよいよ環境省のページをのぞいてみたいと思います。

とても難解な環境省のページ

環境省Webサイトの「地球環境・国際環境協力」の項目には、気候変動に関する科学的知見が掲載されています。私もいくつかのページを眺めてみましたが、情報量は確かに膨大です。

これだけの資料をまとめたのは大変な作業だったと思いますが、端から順に見ていったら、最後までたどり着けないだろうと感じました。全体としては、さまざまな組織が税金を使って行った研究成果へのリンク集という印象で、内容に統一感は見られません。

図5 環境省「地球環境・国際協力」Webサイトのキャプチャー気候変動に関する科学的知見が書いているそうです。あくまでも自称ですが…

これは、環境省のトップページを見た私の率直な感想です。まず印象的だったのは、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の権威が強調されている点です。