また、誤ったターゲティングが名誉毀損や対立の激化を招くこともあるでしょう。

そのため研究チームは、「報復的慈善活動」の活用には以下のような慎重な条件が求められると述べています。

  1. 非難される行為が明確で、かつ団体の理念と一致していること
  2. 加害者が具体的に認識されていること
  3. 支持者に、秩序や正義を重んじる価値観があること

この研究では、「怒りを動機にした寄付」に焦点を当てました。

正義感と怒りが交差するところに、これまでにない新しい社会運動の形が生まれています。

もしかしたら、あなたが「寄付したい」と感じた時にも、その内側には「怒り」が秘められている可能性があるのです。

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参考文献

Giving back or getting back? The rise of retributive philanthropy
https://phys.org/news/2025-07-retributive-philanthropy.html

元論文

Retributive Philanthropy
https://doi.org/10.1177/00222437251320021

ライター

矢黒尚人: ロボットやドローンといった未来技術に強い関心あり。材料工学の観点から新しい可能性を探ることが好きです。趣味は筋トレで、日々のトレーニングを通じて心身のバランスを整えています。

編集者

ナゾロジー 編集部