「今の物価上昇に対して1人2万円の給付だけでは足りない」という声がありますが、これまでの対策に加えて、年内に追加で支援を届けるものです。

野党が提案している消費税減税は、毎年15兆円程度の財源が必要となり、全てを赤字国債で賄う提案です。また、所得税も178万円まで減税枠を引き上げる案もあり、これも4兆円から5兆円かかると考えると、合計で毎年20兆円を赤字国債で発行する案となっています。

そして消費減税が適応されるのは早くて2026年夏頃からとなるため、目の前の物価高対策への対応としては厳しいのではないでしょうか。

2024年・2025年と2年連続で中小企業4%以上、大企業5%以上の賃上げが実施されており、今年の賃上げが実際に反映されてくるのは秋ごろになります。今年、実質賃金がプラスになり好循環のモメンタムを作れるかどうかが勝負のタイミングだからこそ、年内に支援策を届けることも重要です。

※なお、報道ベースですがシンクタンクの試算では、世帯年収500万〜550万円の4人家族の場合の支援額は以下のようになるようです。私の方でも総務省の家計調査を元に試算すると近い数字になりました。

給付金(自民・公明)        :12万円(2万円×大人2人+4万円×子ども2人) 消費税一律5%(国民・共産)    :約12万円/年 食料品のみ消費税0%(維新・立民) :約6万円/年

インフレの中で税収は毎年平均で約3兆円増えてきており、税外収入もインフレで増えてきているのは確かです。この考え方についてはデフレ時代に決めた、税収見積もりのやり方や、財政フレームをインフレ時代に合わせて見直す必要があり、急ぎ進めています。個人的な試算では5兆円程度は通常予算でさらに追加できるのではと考えています。これをどう日本の成長と家計の豊かさに繋げていくかが重要です。

今回の経済政策では、②の賃上げが継続できる環境づくりということに約4兆円を投じる考えです。その中身として、一つ目は税制や各種制度のインフレ対応です。