韓国は大統領制ゆえに分断社会を作った点でアメリカと非常に似ています。韓国の場合、保守と改革という仕分けが各人の思想のみならず、年齢層ごとの相違、男女、職業、収入層という具合で縦横無尽に分断されることで国家が一体になれない状態にあります。李大統領は「国民統合」を目標に掲げます。もしも本当に国民統合をしたいのなら政党政治に変えるのが一番手っ取り早いでしょう。大統領の直接選挙制では識者から時事問題に興味ない人まで等しく1票なのです。誰が正しく判断できるのか、投票の質を言うのは民主主義の根幹に触れるタブーかもしれませんが、今迄誰も考えもしなかったこの点に1つの疑問を投げかけてみるのも悪くないかもしれません。

ひたひたやってくるのか、EVの時代

日本の方にEVの話をすると化学反応のような拒否反応が出ます。それでも私の年初の10大予想では今年は再びEVの売り上げが伸びると書いています。ここでいうEVはBEV、PHEVでHVまで含みます。マスク氏の荒唐無稽な行動によりテスラ車のブランドは遺棄されてしまい、その間に中国勢、特にBYDと小米が大躍進し、技術的にも凌駕しつつあります。一方、日産が中国で作るEVセダンを東南アジアに輸出すると発表しています。この日産ブランドのEV、実はほぼ中国にお任せで作ってもらったもので相手先ブランド(OEM)ではないかと疑うようなものです。

ホンダもカナダでEV車の大型投資するとぶち上げたものの1年もたたないうちに延期という格好の悪い話になっています。ただ、バンクーバーの街中で見る限りEVは着実に増えており2024年のZEV販売比率は22.4%にも及びます。こうなると新車を買うならやっぱりEVの検討はしたくなります。またテスラに乗り飽きた人が内燃機関のクルマに戻るより他社のEVに乗り換えることで時間をかけながらもEVは普及してくるのだとみています。

先日私の母校の自動車部の総監督と酒を飲みかわしながら「私のGTRは売るべきか、持ち続けるべきか」と聞くと即答で「持ち続ければ価値は必ず出る」と。「日産はもうあのようなクルマは作らないだろう」と。私は「作れないだろう」の言い間違いではないかと思います。カナダでは2026年からEVを全体の20%以上にするルールが適用される予定ですが業界では猛反対。理由は売れ行き。ただ私の直感ではそれでも過渡期にあるように見えます。着実にそしていつの間にかEVの時代になっているような気がします。その変化をどこまで敏感に感じ取るかであります。