ただ、今回の研究が希望を示しているのは、夜間の光による健康リスクは、自分自身の工夫でかなり軽減できるという点です。
研究者たちは、夜間に室内で物がはっきりと見えるほどの明るさがあれば、すでに健康上のリスクが高まっている可能性があると指摘しています。
逆に言えば、寝室の明るさを抑えることや、就寝前にスマートフォンやパソコンの明るい画面を見る時間を減らすといったちょっとした心がけでも、私たちの心臓を守る大きな効果をもたらす可能性があるのです。
今回の研究は、私たちの健康を守るために「夜をきちんと暗くする」という、単純でありながら見過ごされてきた方法がいかに重要かを科学的に証明しました。
日常の小さな習慣を見直すだけで、未来の心臓病リスクを下げられる可能性があるのならば、試してみない手はありません。
夜の部屋は暗くして、体の本来のリズムを取り戻してみませんか?
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元論文
Personal night light exposure predicts incidence of cardiovascular diseases in >88,000 individuals
https://doi.org/10.1101/2025.06.20.25329961
ライター
川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。
編集者
ナゾロジー 編集部