ただ、ドイツでは、政府の「正義」に逆らった人たちは、すぐさま差別主義者や反民主主義者のレッテルを押される。それどころか、SNSに政府批判を書き込めば、誹謗、中傷、時には民衆煽動罪で訴えられて裁判所に引き摺り出され、罰金刑と共に国家の権力を味わわされることになる。司法までが信用ならないと気づくと、国民は諦めて口を噤む。そう、東ドイツ化である。ドイツ政府は、どんな批判も受け付けない体質を年々強めている。

では、常識とは何か? 私は、「何かおかしい」という直感、それが常識だと思っている。多くの政治家は真面目な顔をして、子飼いにしたジャーナリストや、御用学者や、都合よく切り取った統計で国民をあらぬ方向に誘導しようとしたがるものだ。それに対して何か変だと感じたら、きっとそれは何か変なのだ。

私は盛り沢山のニュースよりも、その直感こそを大切にしたい。洗脳に対する免疫力強化。そのために、前述の2冊は極めて有効であった。