スマホアプリのアップデートに対して「危険だ」「脅威だ」と感じる人はほとんどいないと思います。それと同様に、多くのユーザーはメーカーを信頼し、インバーターをインターネットに接続することに抵抗を感じていませんし、アップデートについてもあまり深く意識していないのが実情です。

しかし、便利な機能も、その使い方次第で脅威となり得ます。たとえば、アップデートされたファイルに「〇月〇日にインバーターを停止せよ」というコマンドが含まれていれば、その日になると各インバーターは自動的に停止します。

図2では、スマートフォンという端末側からユーザーが操作してアップデートを起こしている点に注目してください。インバーターのように自動で実行される場合、その透明性と制御の所在が問題になります。

家庭用Wi-Fiを使えば簡単に接続可能

「太陽光発電のインバーターをわざわざインターネットに接続する人なんて、それほど多くないのでは?」と思う方もいるかもしれません。しかし、現在では多くの家庭でWi-Fi環境が整っており、家電製品をインターネットに接続することは非常に容易になっています。

たとえば、外出先からスマートフォンで自宅のエアコンのスイッチを入れられるのは、エアコンがWi-Fi経由でインターネットに接続されているからです。

同じ仕組みを使えば、太陽光発電のインバーターも簡単にインターネットに接続できます。あとは、ユーザーがその接続にメリットを感じれば、自ら進んでネットに接続してくれるわけです。その「メリット」とは、たとえば無料のリモート診断サービスや、アプリの自動アップデートといった利便性です。

ファイアウォールなんて効果はない?

「我が家の無線LANルーターにはファイアウォール機能が付いているから、不正なアクセスはブロックされているはず」と思っている方はいませんか? 残念ながら、それだけでは十分とは言えません。