赤沢氏は1日の記者会見で、一連の関税措置について撤廃を求める方針に変わりないかと問われ、米国とは「引き続き合意の可能性があるのかどうかを探っている」と述べるにとどめた。コメを巡る詳しい協議内容については明らかにしなかった。
トランプ大統領は6月30日、ソーシャルメディアへの投稿で「日本はわれわれからコメを買おうとしない。それなのに日本は深刻なコメ不足になっている」と主張。「だからわれわれは日本に書簡を送るつもりだ。米国はこれからも長い間、日本が貿易相手国であることを望んでいる」と述べた。
コメの輸入を巡り、日本は1995年度から無関税の輸入枠(ミニマムアクセス)を設けている。年間輸入量は玄米換算で約77万トン。国が管理している。枠外で民間が輸入する場合には1キロ当たり341円の高い関税を課しているが、価格高騰で輸入は拡大傾向にある。
財務省の貿易統計によると、民間業者による5月の精米の輸入量は1万605トンで、前年同月(115トン)の92倍に急増。このうち米国は7894トンで約4分の3を占めた。米国からの輸入は4月から4割超増えた。
一方、全国のスーパーで6月22日までの1週間に販売されたコメの平均価格は5キログラムあたり3801円と前の週から119円値下がりした。農林水産省が30日発表した。値下がりは5週連続だが、2200円台だった1年前と比較するとなお高い水準だ。
石破首相は1日午前、コメの安定供給に向けた2回目の閣僚会議で、「意欲ある生産者の所得が確保され、不安なく増産に取り組めるような新たなコメ政策へと転換する」と述べた。小泉進次郎農相に対しては「手を緩めることなく」価格安定への対応を進めるよう指示したが、コメの輸入拡大については言及しなかった。
(2025/7/1 ブルームバーグ)
もうこれかなり高確率で選挙期間中に「はーい、交渉時間切れー、打ち切りでーす。関税発動!」とかやられるオチが高そうです。