これがマグロのお散歩だと船長から告げられる。なんと豪快なお散歩だろうか。悠々と泳ぎだすマグロに対して何という魚と私は闘っているんだろう…とロッドを強く握った。
長時間のファイト
1時間以上がたっただろうか、またマグロの動きの様子が変わってきた。どうやら旋回して上がってきているようだと船長から告げられた。あと、もうひと踏ん張りだ。
しかし、男性でもここからのやり取りがとてつもなくつらいらしい。真下を旋回するマグロ、船長いわく大型のマグロは素直に回ってはくれないらしい。その言葉通り「8の字」を描くように、また不規則にマグロは旋回をはじめた。
マグロが船から離れて近づいてくるタイミングでラインを巻き取り、下に入る時は船にラインを当てないようにリールを外向きにロッドを返しながら耐える。あと10m。旋回して近寄るタイミングでとにかく巻く。
150kg超えのクロマグロを手中
ギラリと銀色の魚体が船の下から現れた。やっと魚が見えた、デカイ! 見たこともないような魚体が悠々と旋回していく。仲間もあと少しあと少しと励ましてくれる。仲間と船長に支えられて誘導されながらミヨシから胴の間に降りた。
マグロとの距離はあとわずかだ。しかし簡単にはリールを巻かせてくれない。船べりにロッドを叩きつけそうになるのを仲間と船長が支えてくれる。本当に少しずつ徐々にマグロとの距離が近くなり、いよいよルアーに引っ張られるように水面に浮き上がった。
暴れるでもなく滑るように船に近づいてきた、目の前で船長がモリを打つ。1時間45分あまりのファイトの末にマグロをキャッチした瞬間だ。魚は150キロオーバーの正真正銘クロマグロであった。

事前準備も成果につながる
経験のないことばかりで、仲間や船長に頼ってばかりのファイトではあったが、事前にファイトについて学んでおいたこと、わずかながら体力作りと筋トレをしていたこと。