我々は日本に手紙を1通送付します。親愛なる日本様、これはあなたの車に25%関税をかける話です。我々は日本に車を一切与えていないが、あなたは我々の車を受け入れない、しかし、あなたの車を何百万台も米国に持ち込んでいる。それは不公平です。私は日本にそのことを説明しました。彼らは、我々が日本に対して大きな赤字を抱えていること、我々には大量の「石油」や「その他のもの(things)」を受け取ることが出来ることを理解しています。私は「今すぐ(right now)」それを実行することに賛成です。

トランプは30日にもSNSにこう投稿した。すなわち、「その他のもの」として「コメ」に言及したのである。

日本は我々からコメを買おうとしない。それなのに日本は深刻なコメ不足になっている。だから我々は日本に手紙を送るつもりだ。米国はこれからも長い間、日本が貿易相手国であることを望んでいる。

トランプのこうした言動は、日本の実情や国益を熟知した上での助け舟ではあるまいか。こと自動車に関しては、日本は米国車に関税を課していない。アメ車が日本で売れないのは、サイズや燃費や左ハンドルのせいだとトランプが知らないはずはない。が、「馬を水辺に連れていくことはできても、水を飲ませることはできないのでございます」などと慇懃に語る石破構文をトランプは最も嫌う。むしろ「せめて右ハンドルにしてから文句を言え」と朗らかに言う方が、「もっともだ」とするのではなかろうか。

もう一つ、石破氏が欠席した、25日に終えたオランダでのNATO首脳会議は、トランプ氏出席の下、国防費の対GDP比5%への引き上げを決めた。これに日本の防衛力強化の必要性を問われた林官房長官は「大事なのは金額ありきではなく中身であり、まずは国家安全保障戦略などに基づき防衛力の抜本的強化を着実に進めたい」と述べた。が、日本へも防衛費増額の圧力がかかることは必至だ。