目次
- IVSが「食」に本腰を入れる理由
- イノベーションの拠点「GIC Tokyo」
- 深化するIVS2025:「実を伴う機会」の創出へ
- 京都府との強力タッグ:伝統文化と最先端技術の融合
- 未来の食を体験する:絶品フードテック試食会レポート
- 京都へ、高まる期待
IVSが「食」に本腰を入れる理由
2023年と2024年のIVSのフードエリアは、開催地である京都の名店に出店してもらう形が主だった。たとえば、IVS2024 KYOTOでは、京都の名店13店舗が「FOOD PARK」に集結し、地元の食文化を堪能できるラインナップが話題になった。「王府井」「肉匠 森つる」「ぎょうざ処 亮昌」など、食通にはよく知られた名店がフードトラックなどで出店した。 もちろん、それは参加者に地域の魅力を伝える上で重要だったと、IVS事務局でアライアンス担当執行役員を務める今井遵氏は振り返る。しかし、今井氏個人の体験が、IVSのフードエリアを新たな次元へと押し上げるきっかけとなったという。
「コンビニなどで大豆ミートの製品はありますが、おいしい物はカロリーが高く、ヘルシーな物だと味気ないなと思ってしまうことがあったんです。ですが、今日に至るまでに、ヘルシーなのに美味しいものに数多く出合ったんです」
この感動が、「京都の名店と、IVS当日に限ったコラボができると、より美味しくフードテックなどの印象がより良くなるんじゃないか」というアイデアにつながった。 とはいえ、アイデアを形にするのは容易ではなかった。今井氏は、「自分自身の力不足によって、それをどう発展してリアルに開催していったらいいかわからなかった」と語るが、大きな変化のきっかけとなったのが、東京建物株式会社で八重洲・日本橋・京橋エリアのまちづくりと、FOOD領域でのイノベーション推進を担う渡部美和氏と、株式会社for Crafts代表の岩本拓真氏との出会いだった。


今井氏は「本当にこの2人がいなければこの場をはじめ、IVSフードエリアは誕生しないものでした」と、その貢献の大きさを強調する。一方の岩本氏は、自身が食品業界に長く関わる中でイノベーションの難しさを痛感してきた経験から、「フードテック、スタートアップ、ショット領域のスタートアップに対して、もっと着目していけるような機会を作っていきたい」と、この企画への参画理由を語る。