「自分だけじゃない」と思える起業家支援

日本式の枠を超えた選択肢を。エンデバー・ジャパンが示す起業家支援とはの画像6
(画像=『Business Journal』より引用)

** ——日本のスタートアップ事情、起業家が抱えるこうした課題に対して、エンデバー・ジャパンはどのようにアプローチしていくのでしょうか? **

小田嶋:最初は、日本の持つ課題に対して方法や思考を変化させるアプローチを考えていたのですが、そもそも日本でスタンダードとされる方法も、グローバル展開を見据える方法も、どちらも選択肢としてある状態でもよいのではないか、という結論になっています。

 選択肢がある中で、我々の思想に共感してチャレンジしたい、と考えている方に対して必要なネットワークにアクセスできる手段を提供することが、我々がやるべきことだと考えています。

大塚:そのために、本来のエンデバーの動きとは少し変えている部分があります。

 グロースステージにある起業家の事業のスケールアップを支援する、というのが我々のメインの活動なのですが、昨年、東京都との協定事業でアーリーステージ向けのプログラムを立ち上げました。早い段階から、エンデバーの持つグローバルネットワークにアクセスし、今のグローバルスタンダードやトレンドを把握できるようにするためです。グローバル投資家との接点の提供なども行っています。

小田嶋:グローバルのユニコーン企業創業者と話す機会はなかなかないですよね。なかなか出会うことがない国の起業家の話を聞けるだけでなく、日本人同士ではなかなか話題に上がらない、失敗の経緯や克服の秘話なども聞くことができます。

大塚:同じ志を持ったファウンダーが集まっているので、「自分以外にも同じマインドセットの日本人がいるのか」と感じていただくことが多いです。

 我々は非営利団体なので、競合という概念がありません。VCなどとはまた違った独自の視点でサポートすることが可能です。同じ目線で動く、視座が高いメンバーのネットワークを提供できる、ということはエンデバーの大きなメリットですね。

 日本の起業家にとっても、フィールドとしてグローバルを選ぶ道は、もはや遠い話ではなくなっています。しかし、グローバル展開を見据えたとき、日本にいながら世界とつながり、必要な情報やトレンドを捉えるのは難しい場合もあります。

 日本の起業家が選択する道に対して、最適なソリューションを提供し、自由に事業の展望を描ける場をつくる。そして、起業家が互いに影響し合い、起業家のエコシステムが形成する。

 エンデバー・ジャパンは、この日本を土壌にそんな未来を切り拓こうとしています。