2024/25シーズン終了後に楠瀬氏が日テレ・東京ヴェルディベレーザの監督に就任したのみならず、ジュニアユース時代を含む15年間浦和RLに在籍したMF塩越柚歩も今夏にベレーザへ移籍。塩越と同じくジュニアユース時代から浦和一筋だったDF遠藤優とMF栗島朱里の移籍を前提とする退団が6月27日に発表されたほか、日本女子代表(なでしこジャパン)の一員として2023FIFA女子ワールドカップに出場したDF石川璃音とMF猶本光も同じ理由で退団。これに加え、昨年浦和RLユースからトップチームに昇格した19歳のMF竹内愛未の同じ理由による退団も発表されている。長きにわたり浦和RLを支えた主力選手や、有望な若手が相次いで退団するという激震が同クラブに走った。

なかでも竹内は、6月28日に自身のInstagramアカウントを更新。「昨日(6月27日)、リリースにもありましたようにチームを離れることになってしまいました。私の力不足でチームの力になれなかったこと申し訳なく思っています。私の育んできた過去の努力を否定され、成長率が足りないという話を半年前からチームとしてきました。その上で今回このような決断をしました」と綴っている。クラブスタッフや首脳陣との確執を想起させるこの投稿文に、既に多くの浦和サポーターが反応。所属選手へのリスペクトの無さを問題視する声が、同クラブへ多く寄せられた。

サポーターからの信頼を回復し、彼らの理解や共感を得ながら一体感を醸成する。クラブ首脳がここに心血を注がなければ来季の復権は成し得ないが、2025/26シーズン開幕前にして多くの問題を抱えているようだ。

池田咲紀子 写真:Getty Images

「細かい部分のみんなの理解が浅かった」

堀監督就任後の浦和RLの戦いぶりから筆者が感じたのは、GKや最終ラインからのパス回し(ビルドアップ)における、各選手の立ち位置の悪さだ。