この混乱のなかで堀孝史氏が後任監督に据えられたが、[4-1-4-1]の布陣を基調とする戦術の浸透に時間がかかり、これが2024/25シーズン終盤の失速原因に。5月17日のWEリーグ最終節(ちふれASエルフェン埼玉戦)でも浦和サポーターの怒りは収まらず、「笑顔あふれる浦和レッズレディースを返せ!!!」「『チームの成績に関わる範囲で最も責任を負うのは監督です』誰の言葉?」「3連覇とアジアへの挑戦権のための『一切の疑念なき監督更迭』…結果は?責任は?」と、不可解な監督交代に踏み切ったクラブ首脳への不満が横断幕に綴られた。

焼け石に水だったクラブの釈明
浦和RLは6月20日、クラブ公式サイトを通じて4月10日のリリース内容を謝罪。「浦和レッズが多くのファン・サポーターのみなさまに支えられているのは、応援する側・される側という関係を越え、共に戦う姿勢を大切にしているからだと私たちは考えています。しかしながら、そのような一体感を損ねるような表現となってしまい、結果として、多くの方にご不快な思いをさせてしまったことを、深くお詫び申し上げます」「監督交代という判断については、契約上の制約や様々な事情もある中で、スポーツダイレクターを中心に、経営陣も含めた複数の関係者が協議を重ねたうえで決定したものです。ただし、その説明の中で、監督だけに責任を負わせたかのような印象を与える表現となってしまい、多くのみなさまに不快な思いをさせてしまいました」。同クラブはこの謝罪文で事態の収束を図ったものの、WEリーグ最終節から1か月以上経った時点での釈明は遅きに失した感が否めず、まさに焼け石に水だった。
WEリーグ3連覇の夢、2025/26シーズンのアジアコンペティション挑戦権、選手たちの自信や笑顔、いかなるときもクラブを支えたサポーターとの一体感。クラブ首脳の数々の失策により、これらが瞬く間に失われた。
