クラブW杯にも出場しているフラメンゴ、フルミネンセ、ボタフォゴといったリオデジャネイロ州のクラブ、パルメイラスなどサンパウロ州のクラブのサポーターにとって、飛行機のコストと長時間の移動、熱帯気候への適応が大きなハードルとなる。

また、マナウスのホームスタジアム、アレーナ・ダ・アマゾニアへのアクセスが市街地から遠いことも、アウェイサポーターの足を鈍らせている。


横浜F・マリノス サポーター 写真:Getty Images

ACLでのアウェイ遠征も一般的に

以上の例から、これらのクラブのサポーターがアウェイ遠征に向かう(あるいは対戦相手のサポーターが来場する)絶対数は、欧州各国リーグやJリーグと比べて少ない。よってホーム戦ではほぼ100%自軍のサポーターで埋め尽くされ、いわゆる「ホームアドバンテージ」を得られる。一方でアウェイ戦ではその逆となり、雰囲気は戦い方にまで影響する。

Jクラブでホームとアウェイの差が感じられた例としては、横浜F・マリノスの2024/25シーズンのACLE(AFCチャンピオンズリーグエリート)決勝のアル・アイン(UAE)戦が挙げられるだろう。横浜FMはホームで行われた第1戦(2025年5月11日)を2-1で勝利したにも関わらず、アウェイの第2戦(5月26日)で1-5の大敗。2戦合計3-6で優勝を逃した。応援に駆け付けたサポーターも少なくなかったが、中東独特の雰囲気に飲まれた格好となった。

一方で、「完全アウェイ」を物ともしなかった例もある。1998/99シーズンのアジアクラブ選手権決勝を戦ったジュビロ磐田だ。対戦相手はイラン随一のビッグクラブのエステグラル。しかも会場はエステグラルのホームであるアザディ・スタジアムだった。当時の収容人員10万人全てがエステグラルを応援する中、DF鈴木秀人(2010年引退)とFW中山雅史(2021年引退)の得点でスタジアム全体を黙らせ、磐田は優勝を勝ち取った。