今回の研究結果は、こうした悩みを抱える人にとって、「その不安や迷いは自身の能力の不足などではなく、育ちの中で身についたパターン」でしかない可能性を示すものです。

心理学では、こうした「自分で決める力」を失ってしまった人へのアドバイスも示されています。

まずは、日々の小さな選択を「自分で選ぶ」ことから始めることが効果的です。たとえば、今日着る服を自分の好みで決める、ランチを自分の意志で選ぶ。こうした些細な判断の積み重ねが、「自分で選んだ」「自分で動いた」という実感を育て、自信を取り戻す足がかりになります。

また、感情が大きく揺れたときには、その感情を無理に抑え込んだり否定するのではなく、「なぜこんなに不安になるのか?」「なぜこんなにイライラするのか?」と、自分に問いかけてみることが大切です。

たとえば、「この状況で失敗したら誰かに怒られる気がして怖い」と思ったなら、それが親の反応に由来している可能性に気づけるかもしれません。そうやって感情の背景を見つめ直すことが、自分自身の思考パターンに気づく手がかりになります。

この研究が示すのは、誰かにコントロールされて生きるのではなく、「自分の人生は自分で選ぶ」という感覚を取り戻していくことが、人生の満足感を高めるための第一歩になるということなのです。

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参考文献

Anxiety and anger may explain how parenting styles shape life satisfaction

Anxiety and anger may explain how parenting styles shape life satisfaction
https://www.psypost.org/anxiety-and-anger-may-explain-how-parenting-styles-shape-life-satisfaction/

元論文

Exploring the Links Between Parental Bonding and Life Satisfaction: Anxiety and Anger as Underlying Mechanisms
https://www.tandfonline.com/doi/full/10.1080/00223980.2025.2473735