忌まわしき「定額減税」と異なり、年に一度まとめて控除を計算するのであれば、事業者の事務負担はそこまでは増えませんが、複数の事業者にて勤務する者の集計など自治体の事務負担は定額減税の時と同様に大きいとは思われます。
だったら全額給付でいいんじゃないの?
まずは、年末調整や確定申告をした所得税から控除をして、控除しきれない分は給付というのであれば、最初から全額給付すれば良いじゃない。
定額減税の時に給与計算を担当した人なら誰もが思うことでしょう。
ですが、やはり、全員に給付をするには、その分自治体の事務コストが増える。なので、その手前で事業者ができるだけ事務負担を負ってくれということでしょう。
なんでも事業者に負担を押し付ける姿勢は腹が立ちますが、それで軽減税率への無駄な経理処理が減るのであれば、それもありじゃないかな。と税理士の私は思うのです。
それに、控除・給付をするにしても、貯蓄に回るという問題を解消するために、期間限定のマイナポイントで支給をすることで、マイナカードの登録を促すなどの検討をしてみるのもよいのではないでしょうか。
いくら控除・給付をすればよいのか
では、軽減税率をやめた場合、どれくらいの控除・給付を行えばよいのか。推論に強いと言われるAI(ChatGPTo3)に試算をしてもらった結果は次のとおりです。
妥当性
逆進性の緩和
下位2デシルは実質減税、中位層は現状維持付近、上位は増税――という “ゆるやかな進歩課税” に近いプロファイル。
財政効率
軽減税率維持コスト(▲1.0兆円)と比べて、逆進性の是正効果あたりの費用が半分以下。
実務可否
年間給付 1〜4 回であれば行政コストは児童手当レベル。マイナンバー口座連携で自動振込を想定。
世帯年収220万円以下には60,000円、300万円以下には40,000円、380万円以下には20,000円、460万円以下には10,000円の給付をし、軽減税率をやめることで、下位20%は負担超を上回る実質プラス。中位層は「ほぼ相殺~軽い増税」。上位層は純増税が実現するということです。