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「袖ビーム」の役割は?
「袖ビーム」の役割は?

袖ビームは、単なる飾りではありません。ドライバーや歩行者の安全を守る上で、極めて重要な役割を担っています。
衝突事故の被害を軽減する「衝撃吸収材」

ガードレールの本体(ビーム)は、その切断面が非常に鋭利です。もし端部がむき出しの状態で設置されていたら、万が一の衝突事故の際に、車両を貫通する「路上に潜む凶器」となりかねません。実際に、過去にはビームが車内に侵入し、甚大な被害をもたらした事故も発生しています。
そこで必要となるのが、先端が丸く加工された安全なパーツ、袖ビームです。袖ビームは、カールした形状で衝突時の衝撃を緩和し、車がガードレールに乗り上げてしまうのを防ぎます。さらに、破損した際の交換も容易であるため、ガードレールの安全性を高める上で不可欠な重要パーツなのです。
歩行者の安全を守る「プロテクター」

車を貫くほどの鋭利なガードレールの端部は、そのすぐ近くを徒歩や自転車で通行する人々にとっても非常に危険です。
もし歩行者がガードレール付近で転倒し、ビームの切断面に頭などを接触させてしまえば、大怪我を負うリスクがあります。袖ビームに接触した場合でも怪我をする可能性はゼロではありませんが、むき出しのビームに直接当たる場合に比べれば、被害を大幅に小さく抑えることができます。袖ビームは、まさに歩行者の命を守る「プロテクター」としての役割も果たしているのです。
ガードレールの「つなぎ役」として隙間を埋める

ガードレールは基本的に直線で連結して延長されますが、カーブしている道や交差点では、直線的なビームをそのまま設置することができません。
このような曲がり角や交差点では、異なる設置角度のガードレールとガードレールの間に生じる隙間を埋める部材として、袖ビームが活用されます。安全性を確保しつつ、連続したガードレールを設置するために、袖ビームは不可欠な「つなぎ役」としての機能も果たしているのです。