これは特にギャンブル依存症を防ぐためにも重要なヒントとなりそうです。

ただし、今回の実験は室内での小規模なものであり、実際のカジノの環境でも同じような効果があるかどうかは、今後さらに調査が必要でしょう。

とはいえ、身近な照明が私たちの感情や判断にここまで深く影響を及ぼすかもしれない、という可能性は驚きです。

私たちは普段あまり気づきませんが、実は環境の光ひとつで、自分自身が思っている以上に大きな影響を受けているのかもしれません。

「照明の色が変わるだけで、自分の『損したくない』気持ちが簡単に揺らぐなんて」、と思わず誰かに話したくなるような、興味深い発見です。

この研究がさらに進めば、ギャンブル施設だけでなく、私たちの暮らしの中での照明の使い方にも新しい視点が生まれることでしょう。

照明というごく身近な要素を工夫することで、人々がより落ち着いて安全な意思決定をする手助けができるかもしれません。

今後の研究成果にも期待が高まります。

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元論文

Circadian photoreception influences loss aversion
https://doi.org/10.1038/s41598-025-97370-z

ライター

川勝康弘: ナゾロジー副編集長。 大学で研究生活を送ること10年と少し。 小説家としての活動履歴あり。 専門は生物学ですが、量子力学・社会学・医学・薬学なども担当します。 日々の記事作成は可能な限り、一次資料たる論文を元にするよう心がけています。 夢は最新科学をまとめて小学生用に本にすること。

編集者

ナゾロジー 編集部