もうひとつは、ブラックコーヒーを好む人が、もともと健康意識が高く、食生活や運動習慣も良好である場合が多いという“交絡要因”です。
ただ、それを加味してもなお、ブラックコーヒーの飲用が健康に良いという結果は統計的に明確でした。
また興味深いのは、飲む「時間帯」による差も確認された点です。
午前(午前4時~正午)に集中して飲む「朝型」のコーヒー習慣は、死亡リスクの低下と強く関連していましたが、午後から夜にかけてダラダラと飲む「全日型」では、その効果は見られませんでした。
つまり、「ブラックで」「朝に」「1~3杯」飲むという組み合わせが、健康へのメリットを最大化するという結果になったのです。
「健康のためにコーヒーを飲む」なら甘さは避けよう

この研究から得られる教訓は、「すべてのコーヒーが体に良いわけではない」ということです。
ブラックで飲むなら、コーヒーは長生きや心臓の健康に貢献してくれるかもしれませんが、砂糖やミルク、クリームをたっぷり入れたり、デザートとともに飲むコーヒーでは、その恩恵は期待できないどころか、健康を損なうリスクがあるのです。
毎朝のカフェラテが習慣になっている人にとっては、ちょっと耳が痛いかもしれません。
しかし、健康を意識するならば、まずは砂糖の量を減らしてみることから始めてみるのはいかがでしょうか。
「せっかく飲むなら、意味のある一杯を」
この研究は、そんなシンプルだけど大切なことを教えてくれているのかもしれません。
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参考文献
Hold the Cream and Sugar: Black Coffee Linked to Lower Risk of Death
https://now.tufts.edu/2025/06/16/hold-cream-and-sugar-black-coffee-linked-lower-risk-death