「コーヒーは体にいいらしい」
そんな話を、健康志向の人やニュースで耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。
たとえば、糖尿病のリスクが下がる、心臓病になりにくい、あるいは寿命が延びる――。
コーヒーの健康効果を示す研究はこれまでにも数多く発表されてきました。
けれど、そんな“うれしい効果”がすべてのコーヒーに当てはまるわけではない、という新たな研究結果が報告されました。
米国タフツ大学フリードマン栄養科学・政策学部(Friedman School of Nutrition Science and Policy、Tufts University)、米国の健康調査データを活用して、コーヒーの摂取と死亡リスクの関係を詳細に分析した結果、なんと、砂糖やミルクを加えたコーヒーでは、その恩恵はほとんど見られなかったというのです。
研究の詳細は、2025年5月に科学雑誌『The Journal of Nutrition』に掲載されています。
目次
- コーヒーは健康効果は飲み方で変わるのか?
- ブラックコーヒーだけが健康効果を持っていた
コーヒーは健康効果は飲み方で変わるのか?
これまでの研究で、コーヒーの健康効果はある程度広く認められてきました。
たとえば、1日に2~3杯程度のコーヒーを飲む人は、飲まない人に比べて全体的な死亡率が低いという報告が複数存在します。
また、心臓病や脳卒中のリスクを減らすという結果もあり、「1日1杯~3杯くらいがちょうどいい」といった健康効果を最大にする“適量”もよく語られます。
しかし、これまでの多くの研究では「コーヒーの種類」や「飲み方」まで厳密には区別されていませんでした。
つまり、ブラックなのか、甘いラテなのか、はたまたクリームたっぷりのカフェモカなのか――それらを同じ「コーヒー」として一括りにして評価していたケースがほとんどだったのです。
