23歳、持っている資格は行政書士のみ。これが私のスタートラインでした。はっきり言って、よいところを探すのが難しいくらいのスタート。こういう状態から始めました。
雇用されることへの抵抗感
まわりに伝えた「実は会社を辞めることになった」。これが独立起業するとか、家業を継ぐとか、そういう前向きな理由で自主退社したのであれば、格好もつきますが、なんといっても解雇です。あとで専門家に相談したところ、違法性のきわめて高い解雇だったそうですが、職がなく収入もない現状は変わりません。
まさか23歳という若さで会社をリストラされるなんて、夢にも思いませんでした。当時は再就職する気力も起きず、田舎に帰る度胸もなく、東京で茫然自失としていました。
しばらくは手持ちの資金で食いつないだものの、リストラされたことによって、あることに強い抵抗感を抱いてしまったのです。それは「雇用されること」です。
また再就職しても同じように雇用されていたのでは、同じ結果になってしまう可能性があります。私は身をもってリストラされることの恐怖を味わってしまいました。
雇用されて給料のみに頼るということに恐怖を覚えた私は、会社に勤めるという形でなく、なんとかひとりで仕事を得て生きていけないものかと、当時住んでいた東京にある6畳一間のアパートで考えていました。つまり、フリーランスで仕事が取れないか、ということです。
資格がフリーの活動に方向性を与えてくれた
ところが、考えれば考えるほど自分自身があまりにも何も持っていないことに気がつきました。お金もない。人脈も当然ない。社会人経験はたったの1ヶ月……。ビジネスマナーもろくに知らない状況。フリーランスで仕事をするにも、営業力がないどころか営業をしたこともない。
こんな何もない状態で、いったいどのように生きていけばいいのか。そんなとき、たったひとつだけ自分の武器に気がついたのです。