「部下や後継者の指導/育成力(傾聴・対話力)」。
企業(n=1,003)の61.7%、正社員ミドルマネジャー(n=4,227)の64.9%が「不足している」と回答してます。実に2/3。大多数です。
こんな状況で、OJTは大丈夫なのでしょうか?
そもそも人材育成上の課題は、何なのでしょうか?
2014年に同団体が出したレポート「人材マネジメントのあり方に関する調査」の中で、「企業の人材育成上の課題」という項目があります。課題のトップ4はこうなっています。
【課題1位】 「業務多忙で、育成の時間的余裕がない」 (正社員若年層 49.3%/中堅層 64.0%)
まさに「忙しい上司は、部下を育てる時間なんてない」なんですね。
【課題2位】 「上長などの育成能力や指導意識が不足している」 (正社員若年層 48.0%/中堅層 61.3%)
つまり「上司も部下の育て方がわからない」のです。確かに上司自身も育てられたことがないのでしょうから、育て方はわからないかもですね。
【課題3位】 「人材育成が計画的・体系的に行われていない」 (正社員若年層 37.3%/中堅層 41.3%)
「全社的な人材育成戦略も施策もない」ということです。実際に「人材育成は、研修サービス会社にフルアウトソース(=丸投げ)」という会社も少なくありません。
【課題4位】 「人材育成を受ける社員側の意欲が低い」 (正社員若年層 26.7%/中堅層 30.7%)
こうした状況で、社員も研修を嫌がっています。
こうしたことを踏まえると、
実践的で現場主義で進めているOJTは、多くの場合、上司は何もできずに、部下本人に丸投げ状態。自分で学ぶ人は学ぶが、学ばない人は放置
という実態が見えてきます。
「OJT」の実態は、戦略なき場当たり的人材育成。多くの場合、破綻しています。
人材育成の現場丸投げは、もはや限界なのです。
そもそも人材は、企業の競争力と成長を生み出す大切な経営資源です。本来、経営課題として取り組んで、投資すべきなのです。