また、そういう「精緻なデータ分析ができるようになることでそういう配慮ができるようになる」という事例だけでなく、下北沢ほどではないにしろ「全権持った主体と価値観の共有」がある分野では同じことを考えている例がたくさんある。

例えば全然違う分野ですけど、こないだ伝統的な「論壇誌」で対談を組んでもらってでかけて行ったら(6月5日発売の”潮”7月号に梶原麻衣子さんとの対談が載ります)

どうやって「論壇誌」をこれからも成立させ続けるか?というのを出版部門を含めた会社全体で帳尻を合わせて考えていくべき時代になっている

…という話をしていました。

また、再開発案件では、むしろ地価が安くて人口が減るから「新しいビル」を建てる意味が失われていく地方都市で、意識高い土建屋さんが全体のビジネスモデルの中に上手く組み込んで、中心部の古いビルの再開発案件を手掛けている例はあちこちで聞くようになってます。

これはほんの一例って感じですけど最近聞いた話では、浜松のこの丸八不動産という会社の例とかが面白かったです。(長期的な再開発の仕込み案件の、途中のタイミングを利用して古いビルに野心的な個人店を集めて下北沢BONUS TRACK的なビルにするという事例ですね)

こうやって「ビジネスモデル的な工夫」の方から迎えに来てくれて、そこに「カルチャー界隈」の人もちゃんと関われるようになる。

その結果として、

大手を振って褒めづらい空気は正直あるけど(笑)、実は内心結構やるじゃねーかと思ってもいる例もちらほらある

…みたいな気分が見えてきてるのは大きな希望だと言えるでしょう。

もっと上の世代では、

ありとあらゆることが「政治闘争のネタ」に見えるビョーキの結果として、「汚らしい資本主義が私達の大事な財産を壊すのを許すな!」と十把一絡げに騒いでいた

…ような状態から、

「お互いの事情を持ち寄ってより良い着地を目指していこう」というメタ正義的な方向性が見えてきている