さらに職業の選択肢も柔軟に考える必要がある。たとえばこれまでは「仕事するなら東京一択」という感覚を持っていた人も多いだろう。しかし、AIを活用するなら、伸びしろはむしろ地方だ。

地方の中小企業はAIどころかDXも非常に遅れている。地方でもインバウンド業などは活況で、マネーが集まるが業務効率の改善余地は大きい。そこで若くてAIリテラシーの高い人材として入れば、キャリア形成初期の実績や経験を積むこともできるだろう。

また、仕事内容も柔軟に考える余地はある。「ブルーカラー技術職はきつくてダサい」と敬遠する人は多いが、過去記事で書いた通り、電気工事士などインフラの仕事や医療などはAIの影響は受けづらい。加えて、事務職などと比べて圧倒的に人手不足の業界なので就職には困らないだろう。

AIによる新卒雇用の危機は、リーマンショックと違って「時間が経てば自然解消する」ものではない。恒久的に続いていく極めて大きな変革だ。

若いうちに身に着けておくべき知識や経験の総量は増加する一方でとても大変だ。しかし、これまで繰り返し言っている通り、技術は敵ではなく味方と捉えて活用する側に行く努力をするべきだろう。

 

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