シリコン型で問題が顕在化した環境汚染とリサイクル

 XなどのSNSを見ると、廃棄されたメガソーラーパネルなどの写真がたくさん投稿されている。あれはすべて現在流通しているシリコン型パネルだが、アンチ再生可能エネルギー派でなくても環境汚染は気になるところだ。ペロブスカイト型は大丈夫なのだろうか。

「ペロブスカイト型も鉛が3割入っているので、適切な管理は必須。現在のシリコン太陽電池はリサイクルが難しいのだが、ペロブスカイト層ははきれいに極性溶媒に溶けるので、そういう意味では鉛含有部分は完全に取り除くことができる。それに加えてもともと鉛の使用量が少ないので、仮にパネルが壊れて地面に染み込んだとしても、日本の環境基準を超えるほどにはならずそれほど心配する必要はない。一方、ヨウ素はX線造影剤や偏光フィルムなどに使われる貴重な資源でもあるので、こちらの回収と再利用も進めるべきであろう」(瀬川教授)

 ペロブスカイト型の原料はヨウ素が6割なので、ヨウ素の環境への影響にも注意を払う必要があるが、まずは簡単には壊れないペロブスカイト太陽電池作るということが必要だろう。

(文=横山渉/ジャーナリスト)