IVSの進化と日本が抱える課題
2007年から開催されているIVSは、国内外の経営者や投資家、起業家が集まり、ビジネス機会、提携、資本提携を促進することを目的とする、日本最大級のスタートアップカンファレンスだ。
当初は招待制のイベントだったが、近年では一般公開もされ、規模を拡大している。今年は、最先端のスタートアップ300社が出展する「IVS Startup Market」という新しい企画も実施されるなど、常に進化を続けている。
Whiplusさんは、IVSの運営に深く関わるなかで、日本の現状に強い危機感を抱くようになったという。
――実際にIVSに携わってみて、どんな感想を持ちましたか。
Whiplusさん 2021年のIVSはまだ400人規模のイベントでしたが、2022年に「IVS Crypto」などで積極的に海外の参加者を入れるようになり、マッチングのところの基盤を作りながら5倍ぐらいのスピードで成長してきました。チーム全員で話し合い、戦略を策定、実行、そして軌道修正を重ねてきました。もともと経営者や決裁者のみを招待するイベントでしたが、一般公開されたスタートアップのプラットフォームへと変貌し、誰もが知るイベントにまで成長しました。そのインパクトや規模の拡大は素直に楽しんでいます。
他のカンファレンスとの最大の違いは、本当に事業に役立つパートナーを見つけられる点です。圧倒的にネットワーキングの質が高く、他のカンファレンスと比較してもその機会が格段に多い。IVSはその点に徹底的にこだわっています。
起業家はもちろん、日本のVCは基本的に全員集まります。大企業の新規事業担当者や投資部門担当者も、ほとんど揃っているといえるでしょう。
そして、コミュニケーションの方法は多様性があって、普通のセッションやブースもありますが、コミュニケーションバーなどもイベント会場にあって自由に人と話せる。セッションが終わったら同じ課題を持っている人と話せるのは良かった点ですね。
――参加する前のイメージと違ったことはありますか。
Whiplusさん 参画する前のことはあまり知らなかったのですが、ちょっと格式高いイベントという噂を耳にしたことはありました。でも、実際に中に入ってみると、運営チームは全員若くて、皆フラットで話しやすいです。そのため、どんな新しい発想も柔軟に受け入れ、予期せぬ事態にも柔軟に対応できるチームです。風通しが良いチームなので、参加する前のイメージよりもすごく良かったかなと思います。