仮説4:人知を超えた力?バミューダ・トライアングルの超常現象

 最後に、バミューダ・トライアングルの「神秘的な力」、例えばUFOの関与、時空の歪み、海底の異常磁場といった超自然的な現象が事件に関与したという仮説だ。この海域では、過去に多数の船舶や航空機が説明不能な形で失踪しており、1945年のフライト19や1918年のUSSサイクロプス号失踪事件など、超自然的な説明が囁かれるケースは後を絶たない。

 マコ・ボートの残骸や遭難信号が一切発見されなかったという事実は、通常の事故では説明がつきにくい。超自然現象や異常磁場が航行機器を狂わせたのではないか、という議論も一部ではなされている。ネットの掲示板やSNSでは、UFOや海底の「クリスタル・ピラミッド」といった陰謀論が飛び交い、事件のミステリー性をさらに高めている。

 科学界では、バミューダ・トライアングルでの失踪は、天候、人的ミス、海流などで説明可能とされ、超自然現象の証拠は皆無とされている。タークス・カイコスで発見されたボートも、漂流や犯罪の結果として説明可能であり、超自然現象を仮定する必要はないという見方が一般的だ。しかし、バミューダ・トライアングルの神秘性は、科学的な説明よりも注目を集めやすいのも事実である。

魔の海域“バミューダ・トライアングル”の謎再び!20人乗りボート忽然と消滅…半年後に発見された「20体の遺体」呪いか、犯罪か?の画像4
(画像=イメージ画像 Created with AI image generation (OpenAI))

真相はどこに?未解決の海のミステリー

 マコ・カディキャビン・ボートの失踪と、タークス・カイコスで発見された漂流ボート。この二つの事件は未解決のままだ。密航、機械的トラブル、犯罪行為、そして超自然現象――どの仮説も一定の可能性を秘めつつも、決定的な証拠には欠けている。乗客の身元が公開されないという異常な状況、バミューダ・トライアングルの持つ神秘性、そして断片的な情報しか得られない現状は、この事件を現代の海のミステリーとして際立たせている。

 真相を解明するためには、当局によるさらなる情報公開や、タークス・カイコスで発見されたボートの詳細な調査が不可欠となるだろう。

 果たして、バミューダ・トライアングルの呪いなのか、それとも人間の欲望と過ちが生んだ悲劇なのか。この未解決の事件は、バミューダ・トライアングルの伝説に新たな1ページを加えることになったのかもしれない。

参考:Miami HeraldCBS NewsThe Guardian、ほか

文=青山蒼

青山蒼の記事一覧はこちら

※ 本記事の内容を無断で転載・動画化し、YouTubeやブログなどにアップロードすることを固く禁じます。