逆に貧しくても信頼できる人たちに囲まれていたり、平凡な職業でもアットホームな職場にいる人の方が人生を幸福に感じる割合は高くなるようです。
また、研究者たちは、幸福な人生を送っている人々が共通して持っていた習慣として、「人との信頼関係を意識的に育てていた」ことを挙げています。
こうした人達は友情や家族関係、パートナーとの時間を大切にし、対話や共感を重ねていたのです。

ロバート・ウォルディンガー博士はこう述べています。
「良好な人間関係は、私たちの体を守り、心を守ります。そして、私たちの幸福をかたちづくるのです」
この研究が示した最大の教訓は、幸せな人生に必要なのは、地位や富ではなく、「良い人間関係」を育てることだという点です。
人間関係は自分一人で得られるものではなく、相手があって初めて成立するものです。周囲で良好な人間関係を築くことは言うほど簡単なことではないでしょう。
しかし、経済的に安定していて、好きな仕事に就けたのに、全然幸福感を感じないという場合、周囲の人間関係に目を向けてみると原因がわかるかもしれません。
ときには、好きな仕事に就くことより、良い人間関係を優先して職場を求めた方が幸福な人生が送れるかもしれません。
幸せは一人で勝ち取るものではないようです。80年を超える調査が導き出したのは、“人は人によって癒される”という事実です。
周囲の人たちとのつながりを大切にし、何気ない言葉でも耳を傾けたり、きちんと感謝の気持ちを伝えたり、一緒に食事に行く時間を作ったり、そうした些細なことが幸福への近道なのかもしれません。
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参考文献
What Harvard’s Study of Adult Development Reveals about Happiness
https://www.robertwaldinger.com/post/what-harvard-s-study-of-adult-development-reveals-about-happiness
Harvard study, almost 80 years old, has proved that embracing community helps us live longer, and be happier