市場の目は既に夏休み明けの秋以降の展開を探る形になっています。ドル指数のチャートは判断がむずかしく、底打ちにも見えるし、一時的な反発から更に下げる予兆の瀬戸際のどちらにもみえます。個人的には下げるように感じます。判断材料は6月から7月にかけて発表される消費指数関連と景況感指数、更に関税交渉の動きと共に供給側の過剰仕入れ、消費者の買い控えの状況あたりが判断のポイントになります。市場はこれから2か月半、サマーラリーと称して「みて見ぬふり」をするかもしれませんが、その分のしわ寄せが9月に来るのが慣例とも言えます。今年はいろいろな意味で「しわ寄せ」の年なのでそのあたりは細心の注意が必要かと思います。

トランプ氏の賞味期限は近いのか?

私は就任から6か月後を見たいと以前から申し上げていました。つまり7月20日です。トランプ3.0は原則あり得ないので最後の任期であり、かつ中間選挙では現在のオールレッドが崩れるのがジンクスです。とすれば最後の2年はねじれで4年目はさまざまな抵抗にあい、決められないためせいぜい中間選挙がある26年秋までが勝負。またそこで結果を出すには今年中に行った大統領としての判断がカギになります。中間選挙の話をすれば現時点で民主も共和も存在感が全くないのですが、特に共和党はトランプ氏の陰に隠れてしまい、トランプ氏の失政が共和党の敗退になりやすい構図に見えます。

そのトランプ氏、お前の評価など聞きたくないと言われるかもしれませんが、外交に関してはゼロ点を差し上げます。特にウクライナ問題は止めるどころかより激化し、「勝手に継続すれば!」と言わざるを得ない状況にあります。この件はトランプ氏だけが悪いわけじゃないのですが、成果ゼロはゼロです。イスラエル問題とそれに関連するイランとの核開発協議も全く進捗していません。昨日習近平氏と電話会談しましたが、内容で目覚ましい成果があったとは思えません。トランプ氏はいつも「素晴らしい会談だった」というのですが、それは彼の意味のない口癖なのにマスコミがそれを何の疑いもなく載せるので読み手は乗せられるのです。