ここ数百年の間に記録された種の絶滅の多く(約75%)は島で発生しています。

しかし島嶼部の種は全生物種の約20%しか占めず、本来大半の種は大陸に生息しています。

また絶滅の原因も、島では侵入した外来種による生態系攪乱が多かったのに対し、大陸では現在生息地破壊や気候変動など別の脅威が主要因となっています。

島での絶滅傾向をそのまま全球規模に当てはめて将来を予測することはできないと研究者らは述べています。

4つ目は全ての種が一様に脅かされているわけではないことです。

第6の大量絶滅を主張する多くの研究は、現在危機に瀕する種が仮に全て消えた後も、その絶滅の勢いが衰えず続くと仮定しています。

しかし将来なぜそのような大規模絶滅が起こり続けるのか明確な説明はなく、現時点で絶滅の心配がない種も多数存在します。

実際、評価が行われた全生物種の半数超は「絶滅の恐れが低い」種と分類されており(脊椎動物では約63%が低リスク)、それら健全な種までも将来消えると予測するのは飛躍しすぎています。

また、ある試算では人間活動の影響で今後失われる恐れのある種は約100万種(全体の12%程度)とされていますが、これは75%という基準には程遠い数値です。

5つ目は保全活動の効果を無視できない点です。

現在、種の保存と生息地保護のため世界中で様々な保全対策が講じられており、そのおかげで絶滅のペースは緩和されています。

例えば、保全活動によって絶滅を免れた脊椎動物も数多く報告されており、人類の影響で絶滅危機に陥る種がある一方で、積極的な保護策によって救われている種も少なくありません。

将来の種の損失を予測する際にこうした保全の取り組みを度外視するのは誤りであり、現状より悲観的なシナリオを導くおそれがあります。

6つ目は現在の脅威が永続する保証はないということです。

気候変動や人口増加など、生物多様性に対する現在の主な脅威が数百年先まで今と同じペースで続くかは不透明です。