例えばテフロンと塩化ビニールを擦るとテフロンがマイナスになって塩化ビニルがプラスになるという見方です。

ーー帯電列ですか、そういうものがあるんですね。
菊永:先ほどの例では塩化ビニルがプラスになったんですけど、今度は塩化ビニルとアクリルを擦ると塩化ビニルがマイナスになってアクリルがマイナスになります。なので、何と何を擦るかで同じものでもプラスになったりマイナスになったりするというのが静電気ですね。
ーー同じ物質でも電荷の正負が変わるということですか。
菊永:その通りです。結局、静電気の正体を掴みづらいのは電気的極性がプラスになったりマイナスになったりすることに加えて、その分布がどうなっているかというのが大きいと思います。さらに言えば湿度によって発生した静電気(帯電)の量が減ることがあって環境要因でも変化するんです。これらが常に状態がふわふわしていて掴みづらい理由だと思います。
静電気はどうやって逃がす?意外と効果的なのが観葉植物!?
ーーあと静電気といえば、日常生活では特に冬の時期にパチッとして痛いので困ってる人も多いと思うんですよね。故障や事故の原因にもなるので、なにか静電気を逃がす良い対策があれば教えていただきたいのですが。
菊永:車から降りるときや椅子から立ち上がるときもそうですけど、動作をする前になにか金属を掴んで接触するといいですね。これはなぜかというと、私達の日常の中だと何かに接触した際もそうですが、そこから離れたとき静電気が溜まる量が多くなるからです。これを剥離帯電と言います。
あとは静電気が溜まる原因としては靴と服の組み合わせです。特にゴム製の靴を履いているとよく静電気が溜まります。
ーー靴がコンデンサーみたいな状態になるってことですね。ナイロンの絨毯とかをゴム底の靴で歩いたらすごく静電気が溜まるとか。
寺崎:研究の際には逆に静電気を溜めないといけないんですけど、私は菊永さんの体が静電気を溜めやすいっていうのは知ってて。実験とかするときに菊永さんを見てると「ああ、こうやって静電気を溜めればいいんだ!」って思いますね。私はむしろ汗かきなので、静電気が立たないんですよね。