税を集めるよりも紙幣印刷のほうが手軽だったため、政府はこれを多用しました。
ただし、これは政治家には都合が良いことでしたが、私たち一般市民には悪いことでした。なぜなら、このことで、私たちの通貨の価値が下落してしまったからです。
これが「インフレーション」です。
20世紀には、政府が通貨を完全に掌握するようになりました。
アメリカではかつて、ドルを金に交換することができました。
これは「金本位制」と呼ばれていました。
1913年、アメリカは中央銀行であるFRB(連邦準備制度)を設立し、金の裏付けなしに新たなドルを発行し始めました。
1933年、フランクリン・ルーズベルト大統領は民間人の金保有を禁止しました。
1971年、リチャード・ニクソン大統領が外国政府との金とドルの交換を停止しました。
それ以降、アメリカ人のドルを裏付ける価値あるものは何もなくなったのです。
結果として、FRBが創設される100年前の金1オンスの価格は19ドル39セントだったのに対し、創設100年後には1204ドル50セントになりました。
なぜこのようなことが起こったのでしょうか?
政府が通貨発行の独占権を持ったことで、政府は大規模な戦争や公共事業のための資金を容易に調達できるようになりました。
しかし、その代償として、私たちの通貨価値と貯蓄が犠牲になったのです。
最後まで読んでくださりありがとうございました。
お金(通貨)については、これまで政府が通貨に行ってきたことなど、非常に重要なことがたくさんありますので、別シリーズでも更に詳しく解説予定です。どうぞお楽しみに。
編集部より:この記事は自由主義研究所のnote 2025年5月30日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は自由主義研究所のnoteをご覧ください。