■「アシダカグモがいる=ゴキブリも沢山いる」は本当?
非常に頼れる存在だが、「家でアシダカグモを発見する」ことを、不吉に感じる人は少なくない。「アシダカグモがいるということは、家の中に大量のエサ(ゴキブリ)が潜んでいるのでは…?」と、考えてしまうワケだ。
しかし、こちらの説について日本蜘蛛学会の担当者は「私は初耳です」と、目を丸くする。
続けて「エサがいなければ、捕食者であるアシダカグモは生息できないため、アシダカグモがいる=何らかのエサ(ゴキブリとは限らない)がいる、という図式は成り立つと思います。しかし『ゴキブリが大量にいる』とは限らないかと思います」と、分析をしてくれた。
室内にアシダカ軍曹が現れても、それは決して「大量のゴキブリ」の確定演出ではないので、安心してほしい。
今回取材に応じてくれた日本蜘蛛学会は、世界初の「クモの専門学会」として、1936年(昭和11年)に設立された歴史ある学会。現在はクモの他、近縁なサソリやダニ、また多足類(ムカデ、ヤスデ)、クモの捕食者(ハチ)などを研究する人々も参加しているそうだ。
担当者は「大学などの研究機関に所属する会員ばかりではなく、下は小学生から、上は定年された方まで、様々な方が所属しています」ともコメントしている。