ポエム小泉氏らしいといえばそれまでだが、トランプ流の〝いかさまバイデン〟風にいえば、いかさまコイズミではないのか。

なお、ポエムとは詩のように意味不明で分かりにくいということである。

今回、ポエムイカサマ大臣のもとで放出される30万トン(5kgで約6000万袋)の内訳は、2022年度産米20万トン、2021年度産が10万トンだという。私は古古米までは食ったことがあるが、臭くてボソボソしていた。2021年度産で古古古米——コメとひとまとめにして良いのか、実にわかりにくい。

日本人の大人1人は月間平均で4〜5kgのコメを消費しているので、5kgで6000万袋といったって1ヶ月もない。

そもそも日本の備蓄米の総量は100万トン。これでは3ヶ月も持たないのである。今残っている備蓄米はわずかに30万トン程度。これではいつことが起こるかしれない事態に対して備蓄の意味をなさない。

6350円のコメ

近くのスーパーを訪れて驚いた。

他のスーパーはいつ行ってもコメ棚がスカスカなのにここは米袋が山積み。2kg袋や、希少な5kg袋も山積みになっている。しかし、もっと驚いたのはその値段。

なんと税別5880円のコメ(5kg)が棚に並んでいた。税込で6350円である。近くには4000円台のパールライス(JA)もあったが、税込6000円超の値付けには驚いた。このスーパーは新装開店なったばかりで、空っぽのコメ棚を顧客に晒すわけには行かないので、強気の卸値のコメもかき集めざるを得なかったのである。

6300円という値付けには心当たりがある。最近のとあるレポートでAIが予測した米価と一致する。

スーパーの棚に並ぶ5880円(税別)のコメ筆者提供

2点指摘したい。

まず今回小泉大臣のもとで仮に5kg2000円台のコメが店頭に並ぶとしても、それはごく一部で焼け石に水。消費者に広く行き渡ることはまずないだろう。

多くのコメは今後も高止まりし、一部の銘柄米はそれこそ市場で取り合いになり、卸売は強気の商売に出て、庶民にはほとんど手がさせない超高級米になるということだ。

生産者の現場