同書、155・164頁

日本だけの素晴らしさという、過度な重荷を9条に背負わせる平和主義は、ちょうど安倍談話と重なる時期だった2015年の安保政局で完敗し、限界が見えていた。むしろこれからは「ふつうの平和主義」に、それを軟着陸させることが課題になると、晩年の加藤さんは考えていたように思う。

白井聡さんと、作家の島田雅彦さんが一緒にやっているYouTube番組「Air Revolution」が、6/4(水)20:00~の配信で、拙著『江藤淳と加藤典洋』を採り上げてくれることになった。もちろんぼくもゲスト参加して、ぜひ率直にこうした問題を、両氏と議論してゆく。

チャンネルは有料だが、前半は無料パートとして(上から)誰でも視聴できるそうだ。保守とリベラルを問わず、多くの人に届きますように。

参考記事: 1つめの6/25イベントもよろしくです!

(ヘッダーは「日本の古本屋」から。平成初頭はこんなの出てたんですね。戦後は終わると誰もが思った時代でした)

編集部より:この記事は與那覇潤氏のnote 2025年6月1日の記事を転載させていただきました。オリジナル原稿をお読みになりたい方は與那覇潤氏のnoteをご覧ください。