仕事に対して「気持ちよく快適に過ごすこと」を第一に考える人が増えているが、これは本質を見誤っている。そうではなく、仕事は「結果を出す場所」である。結果を出すためには、できるだけ摩擦なく過ごすほうが好ましいが、あくまでその優先度は明確に劣後する。
これは筆者個人の価値観ではなく、会社は株主のものであり、ビジネスマンは資本主義というルールに則ったゲームをプレイしている本質だ。この本質から逃れるには、起業家や投資家になるか、資本主義でない国家へ移動するしかない。
この仕組みは冷たいように見えるが、極めて現実的でもある。資本主義の中で仕事をする以上、何よりもまず結果が重視されるのは避けられない。
新人は教育が必須
筆者のビジネスキャリアは、上司からの厳しい「バカ」の指摘によって形成されたと言っても過言ではない。新人になったばかりの筆者は「バカな行動」のオンパレードだった。
毎日、仕事をしにいけば朝から夜まで先輩社員や上司から指摘を受け続けた。だが、傷ついた!などとは思わない。結果を出すために必要なプロセスという解釈だったからだ。
実際、周囲の人間も時間とエネルギーを使って「新人を傷つける」という非生産的な活動をするほど暇ではない。「文句を言うのは一人前になってから」という認識だったが、いざ一人前になれたら誰からも注意をされなくなった。
今では上司や先輩に大変感謝をしている。彼らからプロとして厳しい指摘がなければ、今の自分はいなかっただろう。
新入社員は、まさに真っ白なキャンバスだ。そこから注意や軌道修正を受け続け、社会性を獲得していく。ときには叱られたり、間違いを指摘されるのは「傷ついた」と反発するのではなく、自分の伸びしろにベットしてくれたと感謝するべきだろう。
指摘から無視へと変わる現代
「バカな行動」が指摘されないまま放置されると、誰もが徐々に「モンスター」化していく。報連相を怠る社員は、チームの生産性を著しく低下させ、挨拶を軽視すれば周囲の空気を悪くする。会社はチーム戦を前提に設計されているのに、自分勝手で自分のペースで仕事をするのは迷惑でしかない。